性格特性がアプリ使用での減量効果に影響することを解明 ー研究結果を国際誌で発表ー

株式会社PREVENT(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:萩原悠太、以下、PREVENT)は、社内の研究組織Insight Labが中心となり、名古屋大学大学院医学系研究科統合保健学専攻(※執筆当時)の足立拓史助教、金沢大学融合研究域融合科学系の金居督之准教授との共同研究を行い、肥満および非感染性疾患(生活習慣病)を有する人々の性格特性(プロトタイプ)がモバイルアプリベースの生活習慣改善支援プログラムにおけるアプリ利用度と減量効果に与える影響について発表しました。

現代社会において、肥満は高血圧、糖尿病、虚血性心疾患、慢性腎疾患などの非感染性疾患の主要なリスク要因となっており、その対策は急務です。PREVENTは健康保険組合や自治体と協働し、遠隔生活指導サービス「Mystar」を提供し、アプリと専門職による個別支援を組み合わせた生活習慣改善支援を行っています。個人の性格特性によってプログラムへの取り組み方や効果に違いが生じる可能性があることから、今回Insight Labは、性格特性がデジタルヘルス介入の効果に与える影響を明らかにする研究を実施しました。この研究は、個人の性格特性が肥満管理プログラムへの参加度合いと治療成果にどのような影響を与えるかを明らかにし、より個別化された効果的な介入プログラムの設計に貢献することを目的としています。

研究結果は、国際学術誌「DIGITAL HEALTH」に掲載されました。

【研究の背景】 肥満は世界的に増加傾向にある重要な健康課題であり、様々な非感染性疾患のリスク要因として緊急に対処すべき問題です。生活習慣の改善は肥満管理の基盤であり、近年はモバイルアプリやデジタル技術を活用した支援が、低コストで大規模な人々に同時にサポートを提供できる手段として注目されています。しかし、個人の性格特性がモバイルアプリベースの肥満管理プログラムにおける参加度や成果に与える影響については十分に解明されていませんでした。性格特性と健康行動の関係を理解することで、より個人に適したプログラム設計が可能となり、継続性と長期的な成功率の向上が期待できます。

【研究方法】 本研究は、BMI 25.0以上の肥満を有する2,716名の参加者を対象とした後ろ向き観察研究です。参加者は6ヶ月間のモバイルアプリベースの生活習慣改善支援プログラムに参加しました。性格特性は、神経症傾向、外向性、経験への開放性、協調性、誠実性の5つの次元からなる五因子モデル(ビッグファイブ)を用いて評価し、クラスター分析により参加者を3つの性格プロトタイプに分類しました。

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アプリ利用度の指標として、セッション頻度、利用時間、体重入力率、食事写真のアップロード数などを記録しました。主要評価項目である減量効果は、プログラム開始時の最初14日間と終了前の最後14日間の平均体重を比較した体重減少率として算出しました。また、日々の歩数、血圧、コレステロール値なども評価し、全体的な健康状態の変化を検討しました。